分析ソフト【SPLYZA Teams】でできることvol.3

公開:2020/10/16

更新:2020/10/13

映像から試合全体を分析する

by株式会社SPLYZA バスケットボール分析班

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SPLYZA Teamsを使った試合分析。第3回となる今回は「SPLYZA Teamsで映像から試合全体を分析する方法」を解説させていただきます。 前回までは気になったプレーをピックアップし分析、振り返りをしていきました。今回は試合全体を分析していきます。

「木を見て森を見ず」ではなく、「木も、森も見ていく」です。試合を分析することによって、チームとして次にやるべきことが見えてきます。練習の質も高まります。ぜひ実践していきましょう!

試合全体を分析するとは

まず分析とは、辞書によると、下記のように定義されています。

ぶん‐せき【分析】

[名](スル)

複雑な事柄を一つ一つの要素や成分に分け、その構成などを明らかにすること。「情勢の分析があまい」「事故の原因を分析する」

哲学で、複雑な現象・概念などを、それを構成している要素に分けて解明すること。⇔総合。

物質の組成を調べ、その成分の種類や量の割合を明らかにすること。

(デジタル大辞泉)

バスケットボールの分析も同じです。”複雑な事柄を一つ一つの要素や成分に分け”ていくことが第一となります。 とても複雑なバスケットボールの試合を要素に分けていきます。

バスケットボールの試合に含まれる要素

いきなりですが、質問です。

Q. バスケットボールにおいて、試合を大きく2つに分けるとしたら、何と何に分けることができると思いますか?

私は「オフェンス」と「ディフェンス」と考えます。これは多くの方が一致するのではないでしょうか。

このように試合を少しずつ分解し、切り分けられるようにしていきます。続いて2つ目の質問です。

Q. バスケットボールにおいて、オフェンスの終わり方は何パターンに分けられると思いますか?

これは「シュート」と「ターンオーバー」、そして「オフェンス側のスローインで再開するアウトオブバウンズ」、「シュートに関係ないディフェンスファウル」、「ヘルドボール」の計5パターンです。「ヘルドボール」ですが、ディフェンス側スローインで再開する場合は「ターンオーバー」となります。

これらの5つを、ゲームの再開方法も踏まえて整理すると、3つに分けることもできます。

これで、オフェンスを終わり方で分解することができました。ここからは簡単です。次はシュートを切り分けていきます。 シュートは「2P」と「3P」、さらに成否の「イン」と「アウト」に分けることができます。

このように1つ1つのオフェンス、攻撃を分解していき、要素に分けていき、詳細を明らかにしていくことがバスケットボールの試合の分析の1つです。「自分たちのオフェンスで2Pシュートが成功したとき」など、絞って観察し、その結果に至った要因を明らかにすることで、より自チームを知ることができます。

今回はかなりシンプルな方法で、最低限に近い分解をしましたが、他にもシュートの過程で「シュートファウル」もあったり、シュートを細かくエリアで分けたり、またオフェンスの形として「ファストブレイク」があったり、などいくらでも細かく分解することができます。もちろんオフェンスだけでなくディフェンスも同様です。

SPLYZA Teamsで試合を分解していく

バスケットボールの試合を分解し、要素分けの仕方を解説しました。しかし、これを記憶を辿って行うは不可能ですし、ただ試合映像を流してノートにメモして実施するのも非常に困難です。

そこで、「タイムタグ」という映像に付けられるSPLYZA Teamsの機能を活用して、映像を分解し試合を分析していきます。

まずは先ほど分解した要素をできるだけシンプルにしてタグにしていきます。SPLYZA Teamsで使用するタグの例としては、下記のようなものがあります。

こちらでタグ付けをしていくと、試合全体を分析することができます。今回はタグ付けの簡単さを優先し、タグの種類をなるべく少なくしました。では実際にタグ付けをしていきます。

このように、全てのオフェンスとディフェンスの開始点に[局面]タグと[局面終了]タグを入力していきます。シュートを打った場合はその結果である[IN/OUT]タグも入力します。今回はシュータータグも作り、入力してみました。

タグ付けの操作に関しては『分析ソフト【SPLYZA Teams】でできることvol.1』をご覧ください。複数名で分担すればあっという間に終わります!

映像にタグ付けをすると…

タグの入力が完了しました。これで試合を要素に分けて観察することができます。映像を見始める前にプレーリストにまとめて、全体の集計結果から確認していきます。タググループごとに円グラフでまとめられています。

「局面」の集計結果を見てみると、オフェンス回数よりディフェンス回数が多いことが分かります。攻撃回数で相手に負けました。オフェンスリバウンドを取られたことが、ここから分かります。次は、この「オフェンス」をタップし、自分たちのオフェンスについて詳しく見ていきます。

オフェンスの終わり方ですが、TOが多いのが気になります。4回の攻撃のうち1回TOをしているのは得点機会を大幅に失っています。悪くても20%は切りたいところです。

反対に、相手のオフェンスの終わり方はTOが6%しかありません。相手に83%もシュートを打たせてしまっています。元々の攻撃回数の差もあり、シュート本数は〈70vs90〉と大幅に負けてしまっています。厳しい展開の試合であったことが数字から予想できます。

では、11回あった自チームのファストブレイクも見てみます。

本来100%得点できると考えられているファストブレイクで、11回中3回しか得点できていませんでした。TOの割合も36%ですし、打った2Pも43%しか成功していません。 ここから映像で、このファストブレイクを確認していきます。

すでにタグを選択しているので、そのまま再生ボタンをタップするだけです。

ファストブレイクを確認すると…

実際に、今回見本に使用している高校生の試合の白チームの11本のファストブレイクを確認しました。

ファストブレイクのTOは前半に集中していて、後半はシュートまで持ち込めていました。前半のTOは、ファストブレイクであるのにタフショットになってしまうプレーの選択をとってしまっていました。あとは試合を通して、ディフェンスリバウンド後のタッチダウンパスのミスが見られました。 後半もゴール付近でシュートできているものの、外してしまっていました。

実は、この試合は接戦でした。前述の通り、ファストブレイクは得点して当たり前と思われています。後半のファストブレイクのショットミスが数字以上に結果に響いたかもしれません。

まとめ

今回は試合全体の分析に対する考え方の解説から、実際にタグを映像に入力し、試合全体の分析を実践してみました。最後は「自チームのファストブレイク」という要素のみ振り返りましたが、

  • 自チームの2Pが成功したとき
  • 自チームが24%も犯したTOをしたとき
  • 相手チームに3Pを打たれたとき

など、今回のタグからでも、すぐに振り返ることができる要素がたくさんあります。

本連載では 、ここまでの3回で「特定のプレーの映像分析」と「試合全体の映像分析」について解説させていただきました。

第4回となる次回は「試合全体のより詳しい分析と、見える化」に関して解説させていただきます。タグも大幅にボリュームアップし、それらを駆使して、チーム内の他のスタッフやプレーヤーにとって、より分析結果が伝わりやすくしていきます。ぜひお楽しみに!


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※次回「分析ソフト【SPLYZA Teams】でできること vol.4」は11月20日掲載予定です。


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