特集:ミーティング(収録記事一覧)

公開:2021/03/05

更新:2021/04/30

定期的に、あるいはチームによっては毎日のルーティンとして行われているミーティング。その手法・内容は、指導者によってさまざまです。一人の指導者の中でも、長年の間にいろいろな方法を模索してきた歴史があります。

今月の特集では、全国大会でも実績を残してきた指導者の方々に、ミーティングに対する考え方、運営方法、話し方のテクニック、選手の意見を引き出す方法、さらに失敗談などを伺いました。

その中から各指導者の方々のお話の中でも印象的だったお言葉を、少しだけ抜粋してお届けします。それぞれにお聞きした密度の濃いお話が垣間見える内容です。


チームとして、個人としての問題解決能力を強化

片峯 聡太 HC

(福岡大学附属大濠高校 バスケットボール部)

「練習中に必要だと判断したら、私から”チームミーティング”と指示を出し、30秒とか1分間でサッと集まって話をするルーティンが日常化しています」

「そこでは、まずは肯定的な話から始めて皆が耳を傾ける姿勢をつくり、その後、悪かったところを指摘し合い、改善策を議論します。Good-Bad-Nextの流れ。冬場から春先にかけて、このチームミーティングの頻度を意図的に増やし、試合期に向けてプレーの精度を高めていきます。このルーティンを繰り返すことにより、問題解決のスピードも早くなっていきます」

「課題・問題を発見する能力、個人として解決策を考える能力、そしてチーム全体で解決する協働力。これらは、どの分野であっても社会人として必要なものであり、日々の練習は、バスケットを通じてそのプロセスを学ぶことができる絶好の機会だと考えています」

——大濠高校では、ミーティングをいくつかの形式に分け、それぞれの役割も明確にして使い分けています。選手同士のコミュニケーション不足で失敗も経験した中で、たどりついた現在の方法は?

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フィロソフィーを毎回、紙に書き出して手渡す

北本 真司 HC

丸亀市立南中学校Verde Marugame

「日常のコミュニケーションが比較的深く成立している中学校の部活は、日々の練習では簡単な反省会を開く程度で、ミーティングは必要に応じて招集します。これに対してクラブチームでは毎回の練習後、必ず5~10分間ミーティングの時間を設けて話をしています。ある程度計画的に話す内容を決め、プリントも配布して、私が考えるバスケットボールのフィロソフィーを少しずつ理解してもらいます。」

「実例として、クラブチーム(Verde Marugame:ヴェルディ丸亀)の新チーム1回目の練習では、Verde Pride(ヴェルディ・プライド)としてチーム全体で共有すべきスローガンを伝えます。

『言われなくても、見られてなくても、怒られなくても、自分で考え、判断し、行動できる』

2回目では、

『他人より上手くなろうとしてはいけない。常に最高の自分になるための努力をしなさい』(ジョン・ウッデンの言葉)」

「このような形で、毎回、伝えたいことを文字に落として手渡ししています。プリントをまず音読させてから説明に入ります。視覚と聴覚両方に訴えて心に刻んでほしいとの思いからこの方法を採用していますが、気を付けているところは、子どもたちの目線がプリントに落ちた状態で話をしないこと。顔を上げてもらい、しっかり目を見ながら話をするようにしています。子どもたちの後ろで保護者の方々も話を聞いているので、それも意識しながら言葉を選びます」

—— 中学校の部活とクラブチーム指導の両方を経験している北本コーチは、選手対指導者の関係性が部活とクラブチームでは選手との付き合い方が異なる中で悩みつつ、それぞれの場でのミーティング運営について語ってくれました。

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ストロングポイントと改善点を冷静に考えていける場

小野 裕 HC

(聖和学園高等学校 女子バスケットボール部)

「昨今言われているとおり、高校生世代のコミュニケーション能力が低下していると感じていて、ミーティングの重要性は高いと思います。注意していないと、選手とコーチ間、あるいは選手同士で共通理解が得られない状態で練習を進めてしまうパターンに陥ってしまうので、ミーティングを見直してうまく活用するように心がけています」

「コート上では私自身、ダメ出しが中心になってしまいます。ミーティングの場では冷静になれるので、しっかり褒めてやるようにしています。チームの現状で良いところ(ストロングポイント)にも触れながら、改善点を選手とともに考えていける時間。また、ベンチに入れない選手の存在に光を当て、その子たちがいるおかげでチームがうまくいっていることを伝える場としても、ミーティングを活用します」

——小野ヘッドコーチからは泥臭くも具体的なご自身の体験談をお聞きすることができました。日々コミュニケーションの質を高めるために奮闘する様子がうかがえる内容です。

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やりたくなる気持ちにさせる

恩塚 亨 HC

(東京医療保健大学女子バスケットボール部)

「何のためにミーティングするか? と問われたら、期待する行動をしてもらうため、チームにとって良いと思われる行動をしてもらうため、です。どんな行動をしてもらいたいか、について、伝える側に明確なイメージがあって、受け手側がそれを十分に理解して、具体的な行動につながることが大切だと思っています」

「伝える側として常に意識しているのは、“伝える”と“伝わる”は違うということ。さらに、伝わったとしても、やりたくなって、実際の行動が変わらなければならない。」

恩塚ヘッドコーチには、選手の行動変容にフォーカスし、それを促すミーティングの考え方と手法を簡潔に語っていただきました。また、東京医療保健大学女子バスケットボール部の、2021年度の新加入に向けた最初のミーティングの様子を、ジャパンライムの月額制動画配信サイトJLC Ondemand』にて配信中です。そちらもあわせて、ぜひご覧ください!

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それぞれのお話を伺う中で浮かび上がってきたのは、ミーティングも練習と同様にチーム活動であり、共有できる限られた時間の中でいかに生産性を高めるか、ここに腐心をして皆さん試行錯誤していらっしゃるということ。

その試行錯誤の過程は、多くの指導者に共感とヒントを与えてくれるでしょう。

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