オンボールスクリーンに対するディフェンス戦術

公開:2023/09/22

更新:2023/09/20

最近では中高生レベルでも多用されるようになったスクリーンプレーのディフェンスについて、関連動画作品から抜粋して紹介します。解説者は、秋田県立湯沢翔北高等学校女子バスケットボール部の樋渡監督。樋渡氏は、ボールマンのタイプに応じて選択すべき守り方をわかりやすく解説しています。


ドライブが得意な相手の場合

相手ボールマンのボールハンドリングスキルが高く、ドライブが得意である場合は、2段階に分けてディフェンスする。

1. スクイーズ・アンダー

スクリーナーが良い位置取りできないように、ボールマンのドライブを先回りする形。このプレーのポイントは、スクリーナーに対してスクイーズに行くディフェンダーが、相手をしっかり押し込んでボールマンの進路を狭め、ドライブを遠回りさせること(図1)。これにより、ボールマンディフェンダーの通り道ができ、守りやすくなる。

図1

2. ブリッツ&リカバリー

2人目のディフェンダーの出足が遅れ、スクイーズがうまくいかなかった時は、2名でブリッツ(ダブルチーム)を仕掛けてボールマンにボールを手放させる。または後方に追い込む。(図2)。ある程度、後方に追い込むことができたら元の陣形に戻って守る。

図2

あくまでもスクイーズ・アンダーが優先で、これがうまくいかなかった場合(図3)、ブリッツに切り替える(図4)。

図3
図4

3Pシュートが得意な相手の場合

1. オーバー・アンダー

ボールマンがドライバータイプでなく、3Pが得意である場合は、守り方が異なる。前述のスクイーズ・アンダーで守ると、ディフェンダーがアンダーに回った瞬間にボールマンの正面にスペースが生まれ、3Pチャンスとなる。これを防ぐために、ボールマンディフェンダーがオーバーディフェンスをして、相手にスクリーンを使わせないようにする(図5)。

図5

その後ボールマンが3Pラインに沿ってドライブしたら、相手の横に着いていって3Pシュートを阻止する(図6)。2人目のディフェンダーはアンダーで守る。

図6

2.  オーバー・アンダー+スイッチ

もう一つのパターンは、2人目のディフェンダーが早めにスイッチしてウォール(壁)をつくり、3Pシュートを阻止する(図7)。ウォールになるディフェンダーが声を出してその意思を味方に伝える。

図7


このビデオには、公立高校を東北地区屈指の強豪に育て上げた樋渡氏の指導エッセンスが詰め込まれています。チーム戦術のレベルアップに、ぜひお役立てください。

〈商品情報〉 

上記の内容は、コンテンツタイトル【“手段”を習得するためのディフェンス指導 状況に応じた手段を身に付け試合で発揮するために】に収録されています。オンデマンド版、DVD版、どちらでも視聴可能です。

■指導・解説:樋渡 真(秋田県立湯沢翔北高等学校 女子バスケットボール部 監督)
■実技・解説:秋田県立湯沢翔北高等学校女子バスケットボール部

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コンテンツの主な収録内容

【第1巻】ハーフコート・マンツーマン・ディフェンス

■チームディフェンス全体のイメージ作り

湯沢翔北高校のディフェンスの肝となる、チームディフェンス全体のイメージをボード解説と実演によって説明してきます。

■オンボール・ディフェンス

まずは、1on1で守るための「個の手段」を習得するためのメニューを紹介。相手のプレーに対応して、常にボールマンへ影響を与えるためのスキルを身につけます。

クローズアウトから/ディナイから/ドリブルに対して/シュートに対して

■オフボール・ディフェンス

2線、3線のディフェンスについて紹介します。いつでも相手オフェンスに影響を与えられるポジショニングと動きの習得を目指します。

ディナイサイド、ヘルプサイド/個々の手段

■場面別の対応手段

相手オフェンスの特徴や、状況に応じたチームディフェンスの指導法を紹介します。チームで連動して、カバー・ヘルプを駆使して相手のオフェンスを止めるためのポイントが学べます。

ギャップへのドライブに対して/ベースラインドライブに対して/カッティングに対して/ローポストを使うオフェンスに対して

【第2巻】スクリーン・ディフェンス

■オンボール・スクリーン(ピック)

バスケの主流な戦術となるピック&ロールに対して、相手のユーザーやスクリーナーの長所をチーム全体で消して、自由に攻撃させないための対応法を紹介します。

ドライブが得意なユーザーに対して/3Pシュートが得意なユーザーに対して/インサイドのダイブやポストアップが強力なスクリーナーに対して/ポップアウトからのシュートが得意なスクリーナーに対して

↑今回紹介した内容はココ!

■オフボール・スクリーン

オフボールのスクリーンに対して守り方を紹介。視野を広く保ち味方との距離感を意識しながら、相手の動きに対応する力を養います。

アウェースクリーン、ダウンスクリーンに対して/フレア・スクリーンに対して

■湯沢翔北を支える基本動作

いい動作を身につけることで、良いパフォーマンスをすることが可能になります。ここでは、樋渡先生がこだわる脚力と体全体の連動性を意識したメニューを紹介します。

【第3巻】オールコート・マンツーマン・ディフェンス

■オールコート・マンツーマン・ディフェンス全体のイメージ作り

ディフェンスの優先順位を決め、絶対にやられたくない部分を守るために必要な考え方と動きを紹介していきます。

考え方とポイント/実際の流れ

■状況に応じたブリッツの仕掛け方

ディフェンスで仕掛けるタイミングと、仕掛ける方法を紹介。相手オフェンスの状況をしっかりと見極めることがポイントになります。

パスにつけ込む/ドリブルを追い込む/ドリブルを迎え撃つ

■良いディフェンスが良いオフェンスにつながるイメージ(2メンブレイク)

良いディフェンスができた後は必ず良いオフェンスに繋げるという意識のもと、守ってからブレイクを出すまでの一連の動きとそのポイントを紹介していきます。

ミドル・レーン/ワイド・オープン/クロス・コート

■リバウンド獲得の手段

ディフェンスで重要な要素の一つであるリバウンド。ここでは、体格に関係なく、常に良いポジションを取り、リバウンドを奪うためのスキルを紹介します。

ヒット&ゴー/ステップアウト、ステップスルー/ティップコントロール、すり抜け/ラップ、スパイク/ボックスアウト(出迎えと待ち伏せ)

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