トランディション時、1人少ない状況でどう守るか

公開:2024/03/08

更新:2024/03/06

好評をいただいている最新DVD「陸川章 Tokai Defense Coaching & Drills」から、トランディションディフェンスの守り方とドリルが解説された部分を紹介します。トランジション時は、人数的なハンディキャプを負った状態で守らなければならないことも多く、そうした局面で行うべき確実性の高いディフェンスとは?


ディフェンスのハンディキャップを想定する

図1は、トランディション時のハンディキャップを想定したドリル(4on3+1HDC)の開始場面。ディフェンス側中央にいるコーチがオフェンス側コーナーのプレーヤーにパスしてドリル開始。

図1 4on3+1HDCドリルの開始場面

この時、コーチのパスと同時にディフェンス側の左端のプレーヤーが前方のエンドラインまで走り、ラインをタッチして反転する。この動きにより、ディフェンス側が1人足りないハンディキャップの状況をつくる。オフェンス側は中央のガードがボールプッシュする。

ハーフラインを越えたらトライアングルをつくる

ディフェンス側の3人はスプリントバックして、ハーフラインを超えたところでトライアングルをつくる(図2)。東海大学では、アーリープレスをかけた場合のリスクを考え、あえてギャンブルはせず、堅く守るスタイルをとっている。

図2 

この局面での大切なミッションは、3Pエリアの手前でボールを止めること。ボールを止めてアウトサイドにボールを出させる。ここでは、左サイドにパスが出された(図3)。

図3

すると、相手のビッグマンがインサイドに侵入してくる。これに対し、トライアングルを形成する1人がディナイに行く。すると、ウィークサイドのオフェンスプレーヤーがノーマークになる(図4)。

図4

トップのディフェンスはボールサイドに寄らないこと

このシチュエーションに対し、トップのディフェンスが両サイドを見て、ボールがノーマークのプレーヤーにスキップパスされた場合は、そちらに寄って守る(図5)。

図5

遅れてきたもう1人のディフェンダーが中央のオフェンスプレーヤーを守り、4対4の状況をつくる。スキップパスでなく、中央にボールが帰った場合も、トップのディフェンスがこれを守る。

よくあるのは、トップのディフェンスがボールサイドに寄ってしまい、ノーマークのオフェンスプレーヤーから距離が遠くなって、守り切れなくなってしまうケース。トップのディフェンスは中央のポジショニングを維持することが重要だ。相手のアウトサイドプレーヤーが警戒すべきシューターの場合は、中央から1歩そちら寄りで守ってもよい。  

図6は、このドリル(4on3+1HDC)をライブで行っている場面。3名のディフェンスがトライアングルを形成し、遅れてもう1人が追ってきている様子がわかる。ライブは、必ずリバウンドまで行ってから終了する。

図6


「陸川章 Tokai Defense CoachingDrillsには、このほかにも実戦的ドリルを多数収録。東海大ディフェンスの神髄にぜひ触れてください。

〈DVD作品情報〉

陸川 章 Tokai Defense CoachingDrills

指導・解説:陸川 章(東海大学 男子バスケットボール部SEAGULLS 監督)
■実技協力:東海大学 男子バスケットボール部SEAGULLS

DVD2枚組 17,600円(税込)

DVD商品ページはこちら

【主な収録内容】

Disc1<1145-1> Individual/Group(78分28秒)

■Tokai Defenseの全体像

■Individual Defense

「フルコートプレス」へ適応するためのファンダメンタル、また、「インサイドプレーヤーへの対応」を想定したファンダメンタルドリルを紹介します。

■Group Defense

「ドライブ」「クローズアウトシチュエーション」「インサイドプレー」「パス&カット(モーション)」「スクリーンプレー」などに対しグループで対応します。「ギャップディフェンス」「ヘルプ&リカバリー」「ローテーション」「スイッチ」そして「コミュニケーション」を、具体的なシチュエーションに落とし込んだドリルで習得していきます。

■Group Defense “Pick&Roll”

ここではピック&ロールへの対応にフォーカスし、まずは「スイッチ」「コンテイン」「ステップアウト」の3パターンのドリルを紹介。また、発展として「ピック&ポップ」、2人のシューターに対する守り方を紹介します。どれもピック&ロール後の展開まで想定した総合的なドリルになります。

Disc2<1145-2> Team/Trandition/Press(70分15秒)

■Team Defense

まずはエントリーとしてよく使われるスクリーンプレー3パターンに対するドリルを紹介します。エントリーが崩れるとピックゲームに入る傾向がみられるため、そこまでを想定した内容になっています。次に、5on5にマッチアップした後にドライブで破られた場合を想定したローテーション、強力なインサイドに対するダブルチームのドリルを紹介します。

■Transition Defense

相手のスピードを止め、お互いにカバーしながらイーブンナンバーに戻し、ハーフコートでマッチアップするまでの分解ドリルです。

具体的には「スプリントバック」「トランディションスリー対応」「ドラッグスクリーン対応」「マッカビモーション対応」といった内容になります。数的不利の状況におけるカバーや、マッチアップを戻す連動、その際のコミュニケーションがコーチングポイントになります。

■Press Defense

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