U15世代における指導の進め方セミナー 第2回講義レポート

公開:2021/09/10

更新:2021/09/17

2021年8月17日(火)より、毎週火曜日に全5回のシリーズで開催のセミナー「U15世代における指導の進め方~チームづくりから技術指導まで~」。今回はその第2回講義の内容をレポートします。

どのように練習を組み立てればよいのか?

今回の講義のテーマは「練習のバランス、組み立て方」でした。

まずは、受講者の方々へ「練習のバランス、組み立て方」で大切にしていることは何か?という問いから講義がスタートしました。
そして、全国から集まった指導者の方々同士で、普段意識している点や工夫していことを話しあっていただきました。

その後、高橋先生がこれまでの指導の中で意識されてきた、練習を組み立て行く上でのポイントを紹介していただきました。

年間計画の重要性

根底にある考え方として、大きく3つのポイントを紹介していただきましが、特に高橋先生が重要にされているのが「年間計画」を立てること。コロナ禍で大会が中止・延期になるなど、なかなか計画が立てずらい状況ではありますが、時期による練習環境やチームの習熟度を考慮したうえで、「目指す最終形」から逆算して計画を立てることが重要だというお話をいただきました。

その他にも、練習ノートについてやファンダメンタルに割く時間の割合、オフェンスとディフェンスの配分、指導の評価の重要性など、中学生年代のチームにおける練習を組み立てるポイントを詳しく紹介していただきました。

脚力を高めるには?毎年練習計画は変える?

ここからは、質疑応答の中から2つの質問をピックアップして紹介します。

Q1.『「走力」「持久力」を高める練習について、自分はそれだけの練習にならないように気を付けています。高橋先生は、どのようにお考えでしょうか?』

A.『走力、持久力を高めるために一番手っ取り早くて効果的なのは、ツーメンやスリーメンだと思います。シュートに結び付くので、何分で何本シュートインするといった目標設定もできるので、目標に対してどの程度できているかという評価もできます。ただし、バスケットボールにおける走力、脚力というのは、ただオールコートを走るというものではありません。単純に走るだけでなく、止まった状態から一気にトップスピードに入る、素早く切り返しをする、そういう脚力も必要になります。そこで、意外と効果的なのがディフェンスの練習です。特に、プレスディフェンスの練習では、短い距離を詰める、パスを出されたらダッシュして移動するという具合に、短い距離と長い距離の動きが入っているので、そうした部分がオフェンスの動きにも繋がるという考えを持っておくと、練習の組み立て方も変わってくるのではないかと思います。』

Q2.『高橋先生の指導の中で練習の組み立て方はどのように変化してきましたか?その年のチームのメンバーや対戦相手によってメニューを変えることはあるのでしょうか?

A.『歴史的な経緯でいうと変化しています。一つは男子から女子の指導に変わったこと。もう一つは、前任校の清田中学校で指導していた際に、シュートが上手な選手が多かったこと。選手の特長を伸ばすために、清田中学校ではシュート練習の比重を多くしていました。その特長を伸ばしたうえで、弱いところをどのようにして補っていくかを考えて練習を組み立てていました。今指導しているチームでは、そこまでシュートの比重は高くありません。チームや今いる選手の状況を見て練習を考えることは重要で、例えば前のカテゴリー、中学校で言えばU12のカテゴリーで、どこまでのことができているのかも重要なポイントになります。「今年のチームは去年のチームより、前のカテゴリーでできていることが多いからここから取り組もう」など、その時々の状況に応じて練習計画を変えていく必要があると思います。
対戦相手によって練習を変えるということも悪いことではありません。ただ、信念がブレてしまわないように注意が必要で、自分たちが大切にしてきたものを崩さずに、枝葉の部分を変化させていく。次の試合、対戦相手に応じてテーマを設定して練習を組み立てるということは決して悪いことではないと思います。』

>>>第1回講義レポートはこちら

>>>第3回講義レポートはこちら

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