自分の身体をシーズンに備えよう

公開:2021/06/11

更新:2021/05/06

Coach’s Fitness

数年前、アメリカ三大TV ネットワークの一つ、ABCのニュース番組Nightline(ナイトライン)は、試合中にミシガン州立大学ヘッドコーチ、トム・イゾーのバイタルデータをモニタリングし、その結果を分析した。互角の戦いを見せる試合での、コーチの振る舞いを観察するのは興味深い。ミシガン州立大学はその日、53-46でイリノイ大学に負けた。イゾーのストレスのレベルが高くなったことは間違いない。他の項目も、その数値を見れば一目瞭然だ。

試合前、イゾーの1分間の呼吸数はおよそ14で、1分間の心拍数は68 だった。試合開始直前、イゾーの呼吸数は36に上がり、心拍数は97に上がった。イリノイ大学が先制点を決めた時、イゾーの心拍数は120まで急激に上昇した。試合開始から9 分後、ミシガン州立大学は12点差をつけられた。イゾーの心拍数は、120
のままだ。彼の深部体温は華氏100 度(摂氏約37.7℃)に達した。そしてピークの値としては、心拍数が135、深部体温100 度であった。

イゾーは健康上の大きな問題はなく、マラソンに参加することもあった。だがこの緊迫した試合の間中、彼の身体はとてつもなく大きなストレスにさらされていたことがわかる。

コーチは何かと忙しい。だが、自分のことを疎かにしてはいけない。少なくとも、このような心拍数の上昇に耐えうるような心肺機能を維持するだけのフィットネス度は維持しておきたい。最低限のエクササイズは必要だ。それを自分の日常に組み込めれば、それをするのはずっと楽になる。時間をかける必要はない。30分程度の筋トレルーティン、あるいはランニングで、驚くほど効果がある。

モチベーションを高める必要がある場合、スタッフまたは地域のコーチとランニンググループを結成するのもいいかもしれない。朝食を取りながらのミーティング、あるいは酒を飲みながらチームに関して意見交換するだけでなく、エクササイズの時間を取って、心身ともにクリアな状態でアシスタントとチームの問題点を話し合おう。

人々はハッピーになるために、あなたを頼りにしている。それはエクササイズを続けるモチベーションとなる。

Basketball Coach Weekly日本語版96号より

(本コーナーでは、JLC e-bookストアで販売している『Basketball Coach Weekly日本語版』のバックナンバー記事から、抜粋して掲載しています)

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