スクワットは、どの深さまでしゃがめばよいか? 中高生のジャンプトレーニングは?

公開:2020/12/11

更新:2020/12/10

バスケットボール選手の体力強化 Q&A 第3回

小山孟志氏(東海大学スポーツ医科学研究所講師)をお招きして行われたジャパンライムのオンライン講座「全てのカテゴリーに必要なトレーニングの考え方と実践」から、質疑応答の内容を抜粋して紹介しています。今回は連載第3回(最終回)です。

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傷害予防の観点から、できるだけフルレンジで

Q. バスケットボールの競技動作で、膝を深く曲げることはほとんどありません。それを考慮すると、筋トレでスクワット等を行う場合は、それほど深くしゃがむ必要はないのではないか、という意見があります。

A. 可動域を大きく使ったフルレンジのスクワットを行うと、浅いスクワットよりもジャンプ力が高まったという研究結果があります。パフォーマンスアップのためには、しゃがむ深さは重要であるということです。

しかしそれ以上に考えていただきたいのは、傷害予防の観点です。試合中はジャンプの着地時や片脚での減速時などに、自分で意図しない深さまで膝が曲がる、といったことが起こります。あらゆる関節角度で大きな負荷に耐えなければならなくなる。このような事態に備えて、人間が本来持っている可動域すべてに対して負荷をかけていきたい、そう考えています。スクワットで言えば最低でも、大腿部が床と平行になる角度までは正しくしゃがめるようにしたいです。

そこで重要になるのが正しい姿勢です。筋トレを行う時の姿勢は、プレーにも通じる部分があります。ディフェンスの構えで姿勢を低くしようとすると、背中が丸くなったり腕が十分に挙がらない選手がいます。このようなケースでは、脚筋力の問題だけでなく、体幹部の強さや股関節や肩甲骨、胸椎の可動性が不足していて正しい姿勢を取れないことも考えられるので、そうした視点でも観察してみてください。

著作権・肖像権の制約があってここで写真をお見せすることはできないのですが、一流プレーヤーの姿勢は、可動性・力強さの両面で本当に理に適っています。「パワーポジション レブロン」等のワードで検索するとネット上でいろいろな写真が見つかります。それらを選手たちに見せて、良い姿勢をイメージさせながら各種トレーニングに取り組んでもらうのもよいと思います。


なわとびとジャンプオンで爆発的筋力の養成を

Q. 中高生を対象としたジャンプトレーニングとして適切なものを教えてください。

A. 大きな負荷をかけた片脚ジャンプ、たとえばハードルジャンプなどがジャンプ力強化に有効であることはわかっていますが、中高生の場合は成長状況に個人差が大きく、怪我のリスクもありますので、チーム全体での導入は避けたほうがいいでしょう。代わりにおすすめできるトレーニングが2つあります。

1つは、なわとびです。膝を深く曲げずに、アキレス腱のバネを利用して連続的に跳びます(接地時間を短く滞空時間を長く)。例えば大学生のリハビリで行う場合は両足で300回、片脚で左右それぞれ100回、合計500回といった感じでメニューを組みます。中高生の場合は、両足100回、片足各50回ぐらいから始めればよいと思います。これを行う目的は、床からの反力をしっかりもらって、それを垂直方向への力に変換する感覚を身につけることです。なわは用いていませんが、動作のイメージとして、この動画を参照してください。↓

もう1つのおすすめは、ジャンプオンです。これは、台の上に跳び乗るエクササイズです。台から下りるときは跳び下りずに、ゆっくりと片脚ずつ下ろします。この繰り返し。ジャンプ動作では着地時の衝撃が大きく、その局面で膝などを傷めることが多いので、そのリスクを取り除いたトレーニングということです。全力で跳んで少し余裕がある程度の高さを設定してください。10回×1~2セット程度で十分な負荷になります。 これらを行うことで、爆発的筋力を養成する目的では、一定の効果を得られるのではないかと考えます。


3回にわたりご紹介してきた東海大学スポーツ医科学研究所講師小山氏によるオンライン講座の質疑応答ですが、どれもかなり具体的な内容で参考になる部分も多かったのではないでしょうか。ジャパンライムでは今後も様々なセミナーを企画予定です。またこちらでご案内、ご紹介していきますので、ご期待ください!

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