ゲームの「みかた」~データと映像で切り取るチームの課題と試合のターニングポイント~

公開:2020/08/14

更新:2021/02/18

福岡第一はローテーションディフェンスに改善の余地あり

一方、勝利した福岡第一もより試合を楽に運ぶための改善点がありました。それは、ローテーションディフェンスです。先ほど、開志国際の課題のところで触れたように、福岡第一は相手のローポストに対して積極的に仕掛けるディフェンスを行っていました。そこでボールを奪えたときは良いのですが、うまくボールを展開された際に、ディフェンスのローテーションが遅れ、フリーのシュートを決められるシーンが目立ちました。

↑開志国際の得点内訳:PnRでの得点が多い

また、開志国際はスクリーンの際に、センターのピック&ポップを多く使っていましたが、それに対するローテーションも遅く、結果的にPnRからの失点が多くなっていました。

16本もアシストを決められているのも、ディフェンスで仕掛けたあとやPnRでズレが生じた際に、ローテーションが遅く、カバーが遅れてしまっていたことが原因となっていました。この辺りは、チームとして意識して改善すべきポイントだと思います。

データや映像分析はチームプランを「客観的」に見る指標

今回の試合において、両チームがどのようなゲームプランで臨んだのかはわかりません。「ドライブを止めて、外のシュートはOK」「ローポストはトラップを仕掛ける」など、ゲームプランは、指導者の考え方や選手の能力、対戦相手との力関係によって様々だと思います。 データ分析や映像分析は、チームや各個人の動きを「客観的」な視点でみることにより、ゲームプランが正しかったのか、改善すべき点はないか、といったことを考えるきっかけを与えてくれるものです。ただの結果論にとどまらず、チームがより良い方向に行くための一つの指標として、ぜひ皆さんもゲーム分析の視点を指導に取り入れてみてください。


今回分析してもらった試合映像は、ジャパンライムの動画配信サイト「JLC OnDemandにて配信中です。ぜひ、ご覧ください。

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