【オンラインセミナー・レポート総集編】育成年代における「映像を活用する」ポイント 

公開:2021/05/07

更新:2021/05/10

育成年代におけるスカウティングのキーポイント

今回のセミナーでは、スカウティングをテーマとした回もありました。ここではスカウティングに関してまとめていきます。

  1. スカウティングのメリット
  2. スカウティングで大事にしたいこと

1) スカウティングのメリット

スカウティングは良い精神状態をもたらすようです。これは遠香先生、稲葉先生の話で共通して感じたものです。

東京成徳大高はウインターカップの初戦のスカウティングを頑張った生徒は“不安もだんだんなくなり、試合前日には楽しみになっていた。「この選手はこうしてくる」と準備ができて「勝ってやろう!!」となっていた”そうです。

つくば秀英の生徒はウインターカップでのスカウティング関して「ある程度予測がついていく中で、自分たちが攻撃的に守るきっかけになった」と言っていたそうです。

相手のセットプレーや個人の癖の対策は直接的なスカウティングの効果であり、メリットです。それは当たり前とした上で、間接的なメンタル面にもたらすメリットをうかがうことができました。

2) スカウティングで大事にしたいこと

それは「コートでプレーする選手たちが表現できるレベルまでしか、スカウティングや分析の意味はない」ということです。

これはU15をコーチしている鈴木良和さんの言葉です。スカウティングも選手にやらせるそうです。また鈴木良和さんのチームはコーチがすごい分析をして、どう戦うかまで解説するようなことはしていないそうです。この方針の趣旨は、バスケットにおいて、何が勝ちか分かっていれば、まず子どもたちがそのためにどうしようかを考えられる、発見できる、と考えているそうです。「勝利を目指すが勝利が最適解ではない」チームだからだと思いますが、これは本来、育成年代全てのチームに当てはまるのではないかと考えています。

他にも、スカウティングに関しては「相手のファウルを見て、その子の性格も見ていく」や「1ゲーム分析してそれを鵜呑みにしないこと。たまたまそうだったのでは?と考える。日本は試合数も少なくて同じ相手と当たることも少ない。最初に何をしようとしたか。何をしたがっていたのかを見る」など現場からの貴重な話もたくさんありました。ただここはセミナー参加者の特権とさせていただきます!

講師の流れで話したけど大事な話

今回のセミナーは全5回実施し、事前打ち合わせも含めたら、講師の方には2時間ほどお話しいただきました。そこで、話の流れで話したけどとても大事な話をここで一部紹介させていただきます。

石川先生: Bチームの変化について

Aチームだけでなく、Bチームも必ず撮影するようになった。Bチームもちゃんと振り返る機会を作れた。Bチームの試合中にAチームに指導することもあるが、その際は必ずBチームの映像を見るようにしている。Bチームの子達の振り返りの内容に感動した。今まで以上にBチームに対する自分の熱量も上がった。

指導現場にコーチングスタッフが少ない日本の部活動において、非常に大事なことだと思いました。先生が見てくれている、となれば生徒も今まで以上に頑張ります。指導者と生徒のチーム内の相乗効果だと感じました。

木場先生: 自分自身の指導の変化

コーチも間違うことはあります。私も映像を見返すと、自分の現場での指導の間違いにも気付くようになった。あのときはああやって言ったけど、俯瞰映像で見ると違うことに気付く。実際学生たちもその場で言われたことがしっくりきていなかったこともあると思う。間違いに気づいたら次の日学生たちに「ごめんなさい、昨日は違いました」と言えるようになった。

指導者の立場として間違いを認めることってあまり簡単ではないかと思います。そんな中、しっかりと伝えてもらえると、より選手たちも先生を信頼するのではないでしょうか。映像で振り返ることは、コーチのパフォーマンス向上にも繋がり、最終的にはチームとして大きくなっていくと思います。

鈴木良和さん: リーグ戦における映像の価値

リーグ戦だとより映像の価値が高まると思います。自チームの分析/振り返りでも、定期的に試合があることで、「課題が出る」→「解決練習をする」→「試合で試す」といったようなPDCAが回しやすくなります。それがリーグ戦の価値だと思っています。同じチームと対戦するのでその期間の成果が評価しやすいです。

日本でも各カテゴリーで徐々にリーグ戦が行われるように整備されています。「リーグ戦になり、試合経験が積める」だけでなく、このリーグ戦の価値を最大限に活かすことがコーチのやるべきことだと思いました。

遠香先生: 女子準々決勝の劇的逆転の裏側

選手たちがファウルゲームをしようとしたが、我慢しようと伝えた。最後のスローインでは「5秒狙おう。ボールにプレーしてファンブルさせよう。それ拾って速攻に行こう」と。(実際にボールを拾ったあと)真ん中に持ってきてウィングが走る、いつも通りの速攻が出た。これはやってきたことをちゃんとやったから逆転できた試合だった。

日頃の練習による積み重ねの象徴であり、それが報われた場面の話でした。実際、映像を活用したから勝てるわけではありません。ただ、映像を活用したからこそ、相手より優位に立てる場面があり、良い精神状態で臨めた。これによって極限の場面でいつも通りが発揮できたのだと思います。もしかしたら日頃の映像の振り返りで、”真ん中に持ってきてウィングが走る、いつも通りの速攻”を繰り返し確認していたのかもしれません。

セミナーを振り返って

映像を活用しましょう!選手のこともコーチのことも助けてくれます!

これだけは間違いなく言えます。

スマートフォンが普及し、誰でも簡単に映像が撮れるようになりました。これを活用しない手はありません。どのツールを使うかは大事ではありません。共有はYouTubeでもできます。何を目的として、何をするかです。講師の皆さんがお話ししてくださったメリットや映像を扱うことの大事さを踏まえ、ぜひ愛する選手のためにも、また自分自身のコーチングのためにも映像を活用していただきたいです。


「実践例から学ぶ映像分析の活用法」各回レポート

>>>【第1回】分析ツールを使った、選手による自チームの振り返りの実践と効果

>>>【第2回】 育成年代の映像分析で培う力

>>>【第3回】 ウインターカップ中のリアルタイムフィードバック

>>>【第4回】高校年代における映像を活用したスカウティング

>>>【第5回】練習の精度を高める映像によるリアルタイムフィードバック


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