U15世代における指導の進め方セミナー 第4回講義レポート

公開:2021/09/24

更新:2021/09/29

2021年8月から開催しているセミナー「U15世代における指導の進め方」。今回はその第4回目の講義の模様をお伝えします。

最低限の目標も立てておくことが大切

今回の講義テーマは「試合期の調整法」でした。高橋先生がまず語ったのは、試合期に当たって、指導者が大切にするべきことの最初に大会に臨むためのプランを立てることが必要ということでした。

その中でも、自分のチームの力を客観的に見て、「最低限1勝する」「大会の2日に残る」「毎試合何点以上取る」など、コーチが最低限の目標を立てておくことが重要で、さらに「大会のヤマはどこになるのか」それも事前に考えたうえでプランを立てることが必要だという話がありました。

プランを立てたら、そのプランに沿った練習を計画・実践していきます。一番大切なことは「準備する」こと。講義の最初に高橋先生から、ジョン・ウッデン氏の「Failing to prepare is preparing to fail.~準備に失敗することは失敗を準備することである。~」という言葉が紹介されましたが、準備がしっかりできていないと目指す成果を手に入れることはできません。どんな目標やプランを立てたとしても、それを実現するために準備を怠らないことが指導者には求められるのです。

講義では、さらに準備をするためのポイントやプランを実行する際に気を付けることを、さらに詳しく紹介していただきました。また、試合期の調整法として高橋先生は、「いつも通りの強度で練習をする」ことが大切だと言います。普段と変わったことをするのではなく、普段通りの強度で行う。その中で、「ここぞの場面」で使えるナンバープレーを練習したり、シチュエーションドリルやハンディキャップマッチしたりするなど、実戦を想定したメニューを取り入れることが重要になるというお話をしていただきました。

高橋先生から指導者の皆さんへ質問

講義の中で、高橋先生から受講者の皆さんに、「エンドスローイン、サイドラインスローインのナンバープレーをいくつ持っていますか?」という質問が投げかけられました。

「今回の大会では、ベースラインは5種類、サイドラインは3種類でした。」

「3つずつ、大会ごとに更新していきます。」

「エンド4種類、サイド3種類です。」

「ベース…4種類 サイド…2つ 100%確実に成功させるスローイン2つです。」

などなど、受講者の皆さんから様々な意見をいただきました。皆さんはいかがでしょうか?

最後に、質疑応答の内容をピックアップして紹介します。

Q1. 試合期の休養日はどういう設定にしていますか?

A.『講義中にもお話しした通りで、普段と同じように設定しています。前任校では、月曜日と土日のどちらか半日が休養日で火~金が練習、土日は練習か試合という流れでした。その流れは大会の期間中は変えていません。ただし、長期休暇期間などで遠征を伴う場合は、帰ってきて2日間は休養にしていました。』

Q2. ベースラインやサイドラインからのナンバープレーは、高橋先生が1から考えられているのか。何か参考にしているものがあれば教えてください。

A.『文献から拾うことも多いです。もう一つは、実際にやっているチームのプレーを見ることですね。今はいろんな試合をテレビやネットで観ることができるので、その試合の良い動きを観て、自分のチームにあっているかを考えて、チームに落とし込むならどうするかということを考えるようにしています。その中で、オリジナルのプレーを閃いたりすることもあると思います。ただ、気を付けなければいけないのは、他のチームでやっているからと言って、自分のチームでうまくいくとは限らないということです。うまくいかないのは自分のチームの責任だと思うのではなく、今のチームには合わなかったのだと割り切って、目の前の選手のサイズや能力に合わせて変化させていくことも大切です。』

次回は、いよいよ最終回。『バスケットボールIQ』をテーマにした講義になります。

>>>第1回講義レポート

>>>第2回講義レポート

>>>第3回講義レポート

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